先手は取った。さあ、この勢いで-。プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第二ステージが十八日、開幕し、中日ドラゴンズはリーグ覇者・巨人との初戦に打ち勝ち、大事な一勝を挙げた。
「勝てばいいんです。よかったですよ」。右前適時打でダメ押しの5点目をたたき出した井端弘和選手(32)の母節子さん(61)、静岡県伊東市=は、四万四千人で揺れた客席で、得点のたびに立ち上がって声援を送った。
井端選手は亜細亜大からドラフト五位でドラゴンズに入って十年目。今年はプロ1000安打も果たし、球界を代表する遊撃手としての地位を固めている。「ここまでの選手になるとは…。入団したころは、十年チームにいられたらいいね、と願っていたぐらいです」と節子さんは振り返る。
「試合中の顔つきを見ると、少しは責任感が出てきたのかな」と十年間の成長に目を細める。変わらないのは、けがを抱えても弱音を吐かないところ。この春もそうだ。負傷退場した試合後、心配する母の電話にあっけらかんと答えた。「『試合に出なくなったら心配して』って言われちゃいました」
入団当初は「たとえベンチにいる姿でも見たい」との一心で球場に通った。今でも東京の試合はすべてスタンドで観戦する。「勝ち負けを肌で感じたいから。もちろん息子が活躍するに越したことはないですけど」
愛息に期待するのは派手な本塁打でなく、二番打者としてのチャンスメークだ。「塁に出れば、きっと(本塁に)かえしてもらえるから。結果を恐れず頑張って、去年果たせなかった日本一を達成してほしい」(中日新聞・朝刊)
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よく、選手の肉親は、球場に行くと怪我が心配になるし、成績が奮わないとファンからも心無い野次が飛んだりするので応援を控える人たちも多いと聞きますが、井端選手のお母さんは、東京の試合はすべてスタンドで観戦するというのですから、物凄く強い精神力の持ち主であることを示すとともに、そこにも親子の固い絆を感じさせます。
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さて、親子の絆ではないのですが、世代間を越えた交流ということで、CS第2ステージの初戦で、こんな光景を目撃しました。
私は、三塁側内野席のレフト側外野席に近い、前列20列目ぐらいの位置で観戦していたのですが、
http://ryuunosu.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_0c85.html
その席は列の右端に位置しており、私の前には、私よりもう少し上の世代、50代後半か60代を若干過ぎたと思われるご夫婦が観戦していました。
奥様はピンクの井端ユニを、旦那さんはブルーの落合監督ユニを着用していたので、たぶん、名古屋方面から“遠征”してきた、ハッピー・リタイヤメントで既に悠々自適で暮らしている団塊世代のドラゴンズファンかもしれないなと思いました。
そして、通路を挟んだ反対側の左端の席には、茶髪の若者、そうですね、今何かと世間を騒がせている亀田兄弟世代と思われる“あんちゃん”が座っていましたが、その右横にはいくつか空席が続いており、少しぽつんとした感じで座っていました。
その“あんちゃん”は、いわゆるカジュアルな服装だったので、ドラゴンズファンなのかジャイアンツファンなのか、最初はよくわからなかったのですが、それは、私が球場に到着したのが3回表の二死満塁の状況から谷繁捕手が2点先制安打を放った直後の、3回裏の讀賣側の攻撃中だったので、三塁側内野席では優勢だったドラゴンズファンが固唾を飲んで試合の行方を見守っていたため、球場内がシーンと静まり返っていたからかもしれません。
それが、4回表のタイロン・ウッズの2点本塁打によってドラゴンズファンが一斉に立ち上がり、三塁側内野席が一気に興奮のるつぼと化し、私も前列の“団塊世代”ドラゴンズファンのご夫婦とメガホンでハイタッチを繰り返していると、例の“あんちゃん”も立ち上がって歓声を上げているので、彼も熱心なドラゴンズファンであることが判明しました。
ドラゴンズファンの友達と連れ立って応援していない彼の様子から想像するに、ひょっとしたら名古屋出身で上京してきて、普段は自分がドラゴンズファンであることを周りにアピールすることもなく生活しているのだが、このクライマックス・シリーズが東京ドームで開催されることを知り、彼の身体の奥底に眠っていたドラゴンズ・ブルーの血が騒ぎ、居ても立ってもいられなくなって球場にやってきたのではないか、という印象でした。
さて、話を“団塊世代”のご夫婦に戻すと、旦那さんはしょっちゅう席を外してしばらくどこかに消えていくので、たぶんタバコを吸いに球場出入り口に設けられた喫煙コーナーにでも出掛けていっているものと思われました。
試合が中盤に差し掛かりドラゴンズがかなり優勢に試合を進めている状況になった時に、その旦那さんが喫煙コーナーから“帰還”してきたのですが、今回は、何か紙袋を抱えてきて、突然、通路の左端に座っている“あんちゃん”の肩を叩くと、彼にその紙袋を渡しました。
どうも、ドラゴンズが優勢で気分もよいし、ハンバーガーセットを買って、気前よくその若者におごってあげようと思ったらしいのです。
突然、ハンバーガーセットを差し出された“あんちゃん”は、最初はとまどっていましたが、ドラゴンズが優勢であったこともあり、恐縮しながらも、結構喜んでそのハンバーガーセットを頬張り始めました。
「お、ちょっと突っ張っているけど、案外いい奴じゃん!」と、私も微笑ましく見ていました。
その後の試合は4対0のスコアから、5回裏と6回裏に讀賣に1点ずつ返され、楽勝ムードから再び緊迫した雰囲気が漂い始めましたが、8回表に井端が中押し点を奪い、8回裏のピンチを岩瀬が凌ぎ、最終的には5対2のスコアで逃げ切ることができて、ドラゴンズファンは歓喜の中で「燃えろドラゴンズ」の凱歌をあげることができました。
http://dragons.cplaza.ne.jp/game/backscore07/score071018.htm
さて、ドラゴンズの勝利を無事見届けることができた私は、帰り支度をしていました。
すると、例の茶髪の“あんちゃん”亀田君(仮名)が、やおら近づいて来て、無言でデジカメを渡して来たのです。見ると、前列の“団塊世代”のご夫婦と三人揃って「記念撮影」をしたいので、それを撮ってほしいということのようです。
「おお、いつの間にキミ達はそんなに仲良くなったんだ!」
と、少々驚きながらも、デジカメのシャッターを2回押して、万が一誤って1枚を削除しても大丈夫なように少々気を利かせてからデジカメを亀田君(仮名)に戻し、ちょっとその場の雰囲気が私も照れくさかったので、すぐにその場を去ることにしました。
ひょっとしたら、亀田君(仮称)はそのご夫婦に記念写真を贈るので住所かメルアドでも尋ねるのかもしれないなと思いつつ、私も彼らの交流に少しだけ貢献できたのが素直に嬉しかったですね。
たぶん、あの三人が普段街中で出会っていたら、お互いが言葉を交わしたり、ハンバーガーセットをおごろうと思ったり、そしてその申し出を素直に受けたり、ましてや一緒に記念写真を撮るなどというシチュエーションはまずあり得なかったのではないかと思います。
それが、
“I love C D”
http://ryuunosu.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/index.html
http://dragons.cplaza.ne.jp/newslivedragons/livedragons.html
という合言葉1つによって、そのような世代間の垣根を楽々と越えることができるのですから、なんて素晴らしいことなんじゃないかな、という感想を持ちました。
そうだ、やっぱり野球場に行こう!