年末の収穫は「週刊文春」年末進行“最終号”の落合監督と阿川佐和子の“同級生”対談!
今週の「週刊文書」1月3日・10日新年特大号(年末進行最終号)の連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」第711回のゲストは落合監督。阿川佐和子氏とは“同級生”とのことで、対談内容が抜群に面白かった!
落合監督がここまで“胸襟”を開いた対談は初めてだと思います。さすがは同級生。
昔、このブログの元サイト「竜之巣」で、「プロ野球における同級生は非常に貴重な存在である」というネタ振りから、中日ドラゴンズの関川浩一と山﨑武司両選手の“友情物語”を書いたことがありましたが、
http://homepage3.nifty.com/TAMAGAWA/dra/nest/view_nest20030121_01.htm
http://homepage3.nifty.com/TAMAGAWA/dra/nest/nestsw08.htm
やはり同級生というのは、異性間においても同様に特別の存在であるといえますね。
では、この記事に対する感想を3つほど。
その1:クライマックス・シリースに大反対だったからこそ優勝できた。
これは、落合監督が最初からクライマックス・シリーズの導入に大反対していて、その論旨は首尾一貫しており、この対談でも、
「百五十試合近く戦って優勝したチームがたった何試合かで日本シリーズに出られないこともあるなんて、こんなバカなことないだろうと。六チームの中で三チーム出られる権利があるのもちょっと違うんじゃない」
と発言されていますが、この「こんなバカなこと」を証明するために、今回リーグ2位に留まった中日ドラゴンズが日本シリーズに出場して、まずはそのバカバカしさを世間に示して見せたうえで、パ・リーグを優勝してクライマックス・シリーズでも優勝した、真のパ・リーグ1位の北海道日本ハムファイターズさえをも圧倒して名目上の「日本一」となって、このシステムのバカバカしさを、日本中に晒したことでしょう。
私自身、リーグ優勝を讀賣ジャイアンツに、いわば阪神も含めた巴戦のどさくさに紛れてかっさらわれた時には、クライマックス・シリーズなんか見てやるもんか、と思ったものです。
しかし、この悔しさ、虚しさを晴らすには、クライマックス・シリーズに出場する中日ドラゴンズをとにかく応援するしかないと思い直し、第2ステージでは東京ドームにまで出掛けて応援したわけですが、たぶん、それは多くのドラゴンズファンが同様な思いを抱いたはずで、その“思い”の結集が、クライマックス・シリーズを5連勝して圧勝するという結果につながったのでしょう。
いわば、クライマックス・シリーズという、非常にバカバカしいシステムへの怒りが、中日ドラゴンズを53年ぶりの「日本シリーズ優勝」(厳密にいえば、日本一ではない)に導いたという、大変皮肉な結果をもたらしたことになりますね。
ああバカバカしかった!(笑)
http://ryuunosu.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/enter_the_drago_b51a.html
2.お馴染みの「山井問題」も、クライマックス・シリーズのバカバカしさと同じ次元の話なのでは?
落合監督は、既にいろいろな人からこの問題について、何百回も聞かれて、うんざりしながら色々と答えていることでしょうが、今回の対談では、非常に興味深い発言がありました。
「だって、我々は個人のために野球やってるんじゃないからね。あそこで山井のままいって打たれて負けたら、勝った以上に大バッシングが起きる。勝負事ってそうよ。勝ったからまだこれで収まってんだよ。負けてみな、一生言われるから、俺」
よく言った! 落合監督。そのとおり!
私も、テレビ観戦ではありましたが、あの試合を観戦していて、正直いって山井の完全試合どころじゃありませんでした。
1点差の最小得点差じゃなかったら、もちろんそういう“欲”を掻いたかもしれませんが、今シーズンのほとんどの試合を、落合監督率いる中日ドラゴンズ関係者とともに、テレビやWEB、そして時には生観戦もしながら“応援”、あえて言えば一緒に闘った真のドラゴンズファンなら、果たして53年振りに中日ドラゴンズが地元で優勝できるかという問題のほうが、はるかに重要度が高かったはずです。
そして、万が一、山井の個人記録を優先して逆転負けを食らい、舞台が札幌ドームに持ち越されてしまったら、日本シリーズの優勝という「一大命題」を取り逃がしたかもしれなかったのです。
そして、このことは、落合監督の「クライマックス・シリーズへの大反対」と論旨が一貫しているのです。
つまり、仮に、あの試合で山井が、1人で「完全試合」を達成して、日本シリーズに優勝するという事態になっていたと仮定すると、とにかく話題が欲しいマスコミは、まるで山井個人が日本シリーズ優勝の立役者みたいな報道をしていたはずで、「中日ドラゴンズ53年振りの“日本一”」が霞んでしまう報道がされていたはずです。
実際は、山井はクライマックス・シリーズ第2ステージの対讀賣ジャイアンツ戦初戦の先発投手を任される予定が、急に肩痛を起こして先発を回避せざるを得ない事態を招いており、既にチームに多大なる迷惑を掛けていたはずなのに、あの試合で「単独投手による完全試合」を達成していたら、マスコミは、間違いなく彼をシリーズのヒーローに祭り上げて報道していたはずですが、そんな事態になっていたら、今季、山井よりも遥かに勝利に貢献したチームメイトたちにとっては非常に面白くない感情が芽生えていたはずです。
いわば、チーム内に「クライマックス・シリーズのバカバカしさ症候群」が大量に発生していたことでしょう。
プロ野球は、個人の記録より、まずはチームの勝利を優先するべきであり、ただし、個々の選手は自分のプレーに全力を尽くすことが求められているのだと思いますけどね。
そういう監督の「本心」を引き出した、同級生のアガワさん、さすが!
3.落合監督の真骨頂! 「俺は嫌う奴は徹底的に嫌うからね」発言
うん、わかるわかる。
今まで、落合監督は割とこの点についてはオブラートに包んだ表現を使っていて、「俺は、好き嫌いで選手の起用をしたことはない」という発言をしていましたが、それは確かに本当だとは思いますが、落合監督は非常に好き嫌いの激しい人だろうなとは思っていました。
でも、この発言を聞いて、過去に、そしてつい最近でも、落合監督が中日ドラゴンズを率いてから球団を去っていった人たちの退団の理由の大部分が、結局は監督と折り合いがつかなかったので去っていったのだろうなという私の推測がほぼ正しかったのだな、と納得できました。
プロ野球は、いわば職人と職人がしのぎを削る修羅場であり、あらゆる場面で好き嫌いの感情がぶつかり合うのは仕方のないことだと思いますし、私もむしろそのほうが自然だと思います。
そうであっても、「勝利」という共通の目標のために、そういう感情を一時的に封印して、あるいはその感情を逆手に取りながら、その試合、あるいはペナントレースにおいて、それぞれが職人技を発揮して一緒に勝利を目指す。
そして、それが古くは「職業野球」と称されたプロ野球の原点なのでしょう。
私の大変気に入っている言葉「アマチュアはチームワークがないと勝てないが、プロは勝って初めてチームワークが生まれる」をまさに地で行ったのが、今回の「山井問題」であったといえるでしょうね。
そして、あえてイニシャルトーク的に名を挙げれば、FK選手、AO選手、OT選手、NS投手、SK選手といった、かつてはドラゴンズの勝利に多大なる貢献をした選手たちが、いわば自らの意思でチームを去らざるを得なかった理由が何となくわかった気がします。
いいじゃん、お互いに嫌いだったならばどちらかがその場を去るしかないのだから、それが許されるのがプロ野球という社会のルールであるともいえますしね。
さて、この同級生対談は、落合監督が中日ドラゴンズで、その1年間において対談するに足る成績を残したと落合監督が判断した場合に限り、毎年の年末に行われるそうですので、是非とも、来年もこの対談が行われるのを心待ちにしたいと思います。
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